外壁塗装の工事期間は何日？工程とスケジュールをやさしく解説！

外壁塗装の工事期間と工程、スケジュールについて書いています。

外壁塗装を検討する中で、次のような悩みや疑問はありませんか？

実際に外壁塗装は、足場の設置から始まり、洗浄・養生・塗装・点検・足場撤去まで、いくつもの工程を経て進められます。

そして、天候や建物の状態によって、予定より日数がかかることもあります。

この記事では、外壁塗装の一般的な工事期間の目安から、各工程の内容、住人が準備すべきこと、工期が延びる原因と対策まで、初めてでも分かりやすく、ていねいに解説します。これを読めば、工事中の不安もきっと解消できるはずです。

外壁塗装にかかる平均的な工事期間とは

まずは外壁塗装にかかる一般的な工事期間を見てみましょう。

一般的な戸建て住宅の平均日数

外壁塗装の工事期間は、一般的な30坪前後の戸建て住宅でおよそ7日〜10日間が平均です。ただし、これは「順調に進んだ場合」の目安であり、実際は天候や建物の状態によって前後することもあります。

塗装工事には足場の設置から洗浄、養生、下塗り、中塗り、上塗り、そして最後の点検や足場解体など、複数の工程があります。それぞれの作業には一定の乾燥時間も必要なので、単純に「塗るだけ」では終わらないのです。

また、塗る面積が大きい二世帯住宅や3階建ての場合、10〜14日間程度かかるケースもあります。塗料の種類や塗装する外壁の素材によっても乾燥時間が異なるため、事前にスケジュールの相談をしておくと安心です。

工事の流れを理解しておくことで、予定との調整もしやすくなります。無理のない期間設定をすることが、ストレスの少ない塗装工事につながります。

雨や天候による延長の可能性

外壁塗装は「天気に大きく左右される工事」です。雨が降っているときや、湿度が高すぎる日には塗装ができません。なぜなら、塗料がしっかり乾かず、密着しなかったり、剥がれたりする恐れがあるからです。

そのため、梅雨や秋雨、台風シーズンに工事を予定している場合は要注意。天候が安定しない季節には、1〜3日程度の工期延長が起こることも珍しくありません。

また、突然のゲリラ豪雨や強風でも作業が中断されることがあります。特に足場を組んだ高所作業では、安全確保が最優先なので、無理に作業を進めることはありません。

こうしたリスクを考慮して、あらかじめ予備日を見込んだスケジュールを組むことが大切です。事前に「悪天候が続いたらどう対応するのか」を業者と確認しておくと、安心して任せられます。

季節による工期の違い

外壁塗装の工期は、季節によっても変動します。気温と湿度が塗料の乾きに大きく影響するため、以下のような違いがあります。

• 春・秋（3〜5月、9〜11月）
  → 一年の中で最も塗装に適した季節。気温・湿度ともに安定しており、予定通りに工事が進むことが多いです。
  
• 夏（6〜8月）
  → 気温は高く塗料は乾きやすいですが、梅雨や台風による遅れが出やすい季節です。天候に左右されやすい点に注意が必要です。
  
• 冬（12〜2月）
  → 寒冷地では塗料の乾きが悪くなるため、工期が長引くこともあります。ただし、晴れの日が多い地域では冬でも問題なく進められるケースもあります。
  

地域やその年の気候にもよりますが、塗装のスムーズさを求めるなら春と秋がベストシーズンです。

住みながら工事できるか？

「工事中って家に住めるの？」と疑問に思う方も多いですが、基本的に外壁塗装は住みながらでも可能です。

ただし、以下のような一時的な不便は発生します

これらを事前に理解しておけば、住みながらでもそこまでストレスなく過ごせるでしょう。もしも赤ちゃんや高齢者、ペットがいる場合は、特に塗料のにおいや騒音に注意が必要です。

どうしても気になる場合は、一部期間だけ避難することを検討してもよいかもしれません。

工事中に注意すべきこと

工事期間中は、住んでいる側もいくつか気をつけるポイントがあります。

また、工事中は予期しない音やにおいにストレスを感じることも。**「事前にどういった作業があるのか説明してもらうこと」**がトラブル防止につながります。

業者との連絡手段（電話・LINE・メールなど）を決めておくと、工事中もスムーズに対応できます。

工事期間の前に知っておきたい「工程の流れ」

工事期間を知る前に、外壁塗装の工程の流れを知っておきましょう。

現地調査・契約〜着工までの期間

外壁塗装は、契約をしたらすぐに始まるわけではありません。実際には、現地調査→見積もり→契約→工程調整→着工という流れを踏むため、契約から工事開始までに1〜3週間ほどの準備期間が必要です。

まず業者が行うのは「現地調査」です。外壁の劣化具合や素材、面積、足場の設置スペースなどを確認し、その情報をもとに塗料や工法、費用が提案されます。

その後、見積書の確認→契約を経て、正式なスケジュールが決まります。ただし、人気のある業者は予約が埋まっていることも多く、繁忙期（春・秋）には1ヶ月以上先になるケースも。

予定がある場合は、「この日までに工事を終えたい」と早めに相談することが大切です。

仮設足場の設置と安全確保

外壁塗装の最初の作業は、「仮設足場の設置」です。これは職人が安全に高所作業を行うため、そして塗料や工具の落下防止のためにも欠かせない工程です。

足場設置は通常半日〜1日ほどで完了します。その後、飛散防止用の「メッシュシート」を外壁全体に覆います。これにより、塗料の飛び散りを防ぎ、近隣への迷惑を減らすことができます。

この足場とシートが張られることで、外からの光が入りづらくなったり、窓が開けづらくなるため、住人側にも少し影響が出ます。特に小さなお子さんやペットがいるご家庭では、事前に心の準備をしておきましょう。

高圧洗浄による下準備

塗装の前には必ず「高圧洗浄」が行われます。これは、外壁についたホコリ・汚れ・カビ・コケなどを強力な水圧で洗い流す作業です。洗浄をしっかり行わないと、塗料がうまく密着せず、数年で剥がれてしまう原因になります。

高圧洗浄は通常1日で完了しますが、その間は外壁全体が水で濡れるため、乾燥までさらに1日程度必要です。

また、水圧による「ゴーッ」という大きな音がするため、近隣住民への配慮として、事前にあいさつや案内をしておくことがマナーとなります。

洗濯物はもちろん干せませんし、窓も水しぶきがかかるため閉め切り状態になります。

養生作業で仕上がりを左右するポイント

「養生（ようじょう）」とは、塗装しない部分をビニールやテープで覆い、塗料がつかないように保護する作業です。窓、ドア、玄関ポーチ、車、植物など、さまざまな箇所を丁寧に覆います。

この作業は単なる保護だけでなく、「仕上がりの美しさ」を左右する重要なポイントです。養生が甘いと、はみ出しやムラのある見た目になってしまいます。

養生は通常1日程度で行われ、完了すればいよいよ塗装に入ります。ただし、この間も窓は基本的に開けられず、部屋が暗く感じられることがあります。

また、玄関などに養生をする場合、出入りの際に少し不便になるため、作業員と事前に動線を確認しておくとスムーズです。

下塗り・中塗り・上塗りの基本工程

塗装の工程は、大きく分けて3回に分けて行われます：

1. 下塗り：下地と塗料の密着を高めるための土台塗り
   
2. 中塗り：塗料の厚みを持たせ、色ムラをなくすための2層目
   
3. 上塗り：仕上げとなる3層目で、光沢や防水性能を決定づける
   

この3回塗りを行うことで、耐久性と美観を兼ね備えた外壁塗装が完成します。それぞれの工程には、しっかりと乾燥時間が必要で、早くても3日間はかかります。

塗料によっては「乾燥時間を空けることで最大の性能が発揮される」ものもあるため、焦らず工程通りに進めることが重要です。

「今日はどの作業をするのか？」を毎朝伝えてくれる業者も多いので、不安な方は一言確認してみましょう。

実際の工事スケジュールの一例

実際にどのように工事が進められるのか、スケジュールの一例をご紹介します。

工事初日〜足場・洗浄の日

外壁塗装は、初日に「足場設置」と「飛散防止ネットの取り付け」が行われます。この作業は安全確保のために欠かせない工程で、職人が高所作業を安全に行うためにも重要です。足場はおよそ半日〜1日で設置されます。

翌日には「高圧洗浄」が行われ、外壁や屋根の汚れ・コケ・ほこりを洗い流します。この作業は非常に水しぶきが出るため、洗濯物はもちろん干せませんし、周囲への水の飛散にも注意が必要です。強い水圧の「ゴーッ」という音も発生するため、近隣への配慮が特に重要な日です。

高圧洗浄後は完全に乾燥させるため、1日〜2日程度の乾燥時間が必要です。外壁の状態や天気によってはこの期間が長くなる場合もあります。

養生〜塗装開始の中盤

洗浄後の外壁がしっかり乾いたら、次は「養生（ようじょう）」作業に入ります。これは窓や玄関、エアコン室外機など、塗料が付着してはいけない部分をビニールシートやテープで覆う作業です。作業には1日ほどかかります。

養生が終わると、いよいよ「塗装作業」が始まります。

この3回塗りが基本で、各工程でしっかりと乾燥時間を確保することが長持ちのポイントです。通常、中塗り・上塗りは1日ずつ行われますが、雨や湿度で乾きが悪い場合はさらに1日延びることも。

塗装中は養生されているため、窓を開けることができず、室内が蒸し暑く感じられることもあります。また、塗料のにおいが気になることもありますが、最近は低臭タイプの塗料も多くなっているため、気になる方は事前に相談すると良いでしょう。

塗装完了〜仕上げ確認と足場撤去

上塗りまでが完了したら、最後の仕上げ工程に移ります。まずは「養生の撤去」を行い、その後、**細部の補修・タッチアップ作業（塗り残しやムラの修正）**が行われます。

次に「最終検査」として、職人や現場責任者が塗装の状態をチェック。場合によっては、施主（あなた）立ち合いでの確認もあります。このとき、気になる箇所があれば遠慮せずに伝えることが大切です。

最終確認が終わると、「足場の解体」と「周辺の清掃」が行われ、すべての工事が完了します。足場の解体も1日ほどかかりますが、建物が本来の姿を取り戻す瞬間でもあり、工事の達成感を感じられる場面です。

すべての工程が終了したら、業者から「完工報告書」や「保証書」などが渡されるのが一般的です。必ず内容を確認して、保管しておきましょう。

工程ごとの所要日数の目安

下記は一般的な30坪戸建て住宅を想定した、外壁塗装のスケジュール一例です。

工程	日数の目安
足場設置	1日
高圧洗浄	1日
乾燥期間	1日
養生	1日
下塗り	1日
中塗り	1日
上塗り	1日
仕上げ・確認	1日
足場撤去・清掃	1日
合計（目安）	8〜10日

天候や建物の状態によっては、これより短くなることもあれば、延びることもあります。

トラブル時のスケジュール調整方法

万が一、工期中に雨が続いたり、補修工事が必要になった場合は、スケジュールの変更が必要になります。優良な業者であれば、こまめに進捗や変更の連絡を入れてくれるため、不安なく進めることができます。

重要なのは、「予定がずれたときにどう対応するのか」を事前に確認しておくことです。

こうした事前確認が、工事中のトラブルを最小限に抑えるポイントになります。

工事期間中に住人がやるべき準備と対応

外壁塗装の工事期間はさまざまな人がやってきて作業をします。

その際に住人は何をしておくべきかを確認しましょう。

洗濯・換気・車の移動などの対策

外壁塗装工事中は、普段の生活とは違う環境になるため、いくつかの準備や注意が必要です。

まず、洗濯物は基本的に外に干せません。塗装期間中は養生でベランダが使えず、さらに塗料の飛散やにおいが洗濯物に付く恐れがあるため、部屋干しや乾燥機の準備が必要です。

また、窓や玄関は養生シートで覆われるため、換気が難しくなります。そのため、事前に空気清浄機を用意する、エアコンの使用を確認するなど、室内環境の対策をしておくと快適に過ごせます。

さらに、敷地内に車を停めている場合は一時的に移動が必要なことがあります。特に足場の設置や撤去、高圧洗浄の日は車への水や塗料の飛散を防ぐために移動をお願いされるケースが多いです。工事前に業者と「いつ車の移動が必要か」確認しておきましょう。

近隣へのあいさつとトラブル防止

工事中は、作業音・におい・職人の出入りなど、ご近所にも多少なりとも影響が出ます。そのため、工事開始前に近隣へのあいさつをするのがマナーです。

最近は、業者があいさつ回りをしてくれるケースが多く、簡単な案内文（工事期間・作業時間・注意点など）を配布してくれます。ただし、自分からも「ご迷惑をおかけします」とひと言添えておくことで、トラブルを未然に防げることがあります。

特に、隣家との距離が近い場合や、車の往来が多い場所では、「塗料の飛散」「騒音」などに敏感な方もいます。誠意ある対応が、良好な近所付き合いにつながります。

赤ちゃん・ペットがいる家庭の注意点

赤ちゃんやペットがいる家庭では、工事中の騒音や塗料のにおいが大きなストレスになる可能性があります。

高圧洗浄や養生のビニール音、ローラーの音などが連日続くことで、赤ちゃんの昼寝の妨げになったり、ペットが落ち着かなくなるケースも。また、塗料のにおいに敏感な子どもや動物も多く、体調を崩してしまう恐れもゼロではありません。

対策としては、以下のような方法が考えられます。

生活環境への影響を最小限にするためにも、施工前に家庭環境を業者に伝えておくことがとても大切です。

留守中でも対応してもらえる？

「共働きで日中は家にいない」「旅行や出張の予定がある」という方でも、外壁塗装は基本的に留守中でも対応可能です。

職人は外壁の作業をするため、家の中に入る必要はありません。鍵の受け渡しなども不要なので、日中は不在でも問題なく工事が進みます。

ただし、以下のような点には注意しましょう

留守中でも連絡が取れるように、メールやLINEなどでやり取りできる手段を決めておくと安心です。

業者との連絡手段を明確にする

工事期間中は、職人とのコミュニケーションがスムーズに取れるかどうかがとても大切です。特に、進捗の確認や不明点、緊急対応など、連絡手段を明確にしておくことでトラブル防止につながります。

以下のような項目を事前に確認しておくと安心です

特に、「どんな作業をしているのか分からない」という不安を解消するためには、小まめな報告と相談が鍵になります。

業者選びの段階で「説明が丁寧かどうか」「連絡が取りやすいか」も判断材料にすると、工事中も安心して任せられます。

工期が延びる主な原因と対処法

外壁塗装は屋外での作業になります。

そのため、計画通りに進まないこともあります。

その場合の原因と対処法をご紹介します。

雨天・強風など天候の影響

外壁塗装で最も多い工期延長の理由は、天候不良です。特に「雨」「強風」「高湿度」の日には、塗装作業ができないことがあります。なぜなら、塗料は乾燥する過程で性能を発揮するため、湿気や雨があると塗膜がうまく形成されず、剥がれやすくなるリスクがあるからです。

また、足場の上での作業は安全面も重視されるため、強風時には作業そのものが中止になることもあります。

こうしたリスクに備えるには、以下のような対策が有効です。

天候による遅延は不可抗力なので、無理に工事を急がせず、丁寧な作業を優先する方が結果的に長持ちします。

追加工事や補修の発生

工事が始まってから、予想外の劣化や破損が見つかることがあります。たとえば、外壁のクラック（ひび割れ）や木部の腐食、下地材の剥がれなどが発覚した場合、それらを追加で補修しなければならないため、工期が延びる原因になります。

こうした追加作業は、安全性や仕上がりに関わる重要な部分のため、やむを得ません。

未然に防ぐためには、以下の対応がおすすめです

信頼できる業者であれば、追加工事が必要な理由を写真付きで丁寧に説明してくれるので、納得して工期延長を受け入れられるはずです。

職人の人数や工事体制の違い

意外と見落とされがちですが、職人の人数や現場の体制によっても工期は左右されます。

たとえば、同じ工程でも2〜3人で作業するのと、1人で進めるのとでは、作業スピードがまったく違います。職人の数が少ないと、丁寧に施工しても日数が多くかかってしまうのです。

また、職人が他の現場と掛け持ちしている場合、毎日来てくれるとは限らず、工事が断続的になることもあります。

そのため、契約前に以下の点を確認しておくと安心です

「丁寧にやってもらいたいけど、なるべく早く終わってほしい」という方は、職人の体制もしっかりチェックしましょう。

塗料の乾燥時間にかかる影響

塗料は、塗る作業そのものよりも「乾かす時間」が非常に重要です。塗料の種類や気温・湿度によって乾燥時間が異なるため、次の工程に進むタイミングを慎重に見極める必要があります。

たとえば、フッ素塗料や無機塗料は高性能な反面、乾燥に時間がかかることもあるため、標準的なスケジュールよりも1日多めに見積もることがあります。

また、冬場は気温が下がり、塗料の乾きが悪くなるため、1日で終わるはずの作業が2日にずれ込むこともあります。

このような工程遅れを防ぐには、次の点をチェックしましょう。

「急ぎすぎて耐久性が落ちた」では本末転倒なので、丁寧な乾燥工程はむしろ良い塗装の証とも言えます。

延長を避けるためにできること

最後に、工期を予定通りに終えるために、住人側ができる工夫をご紹介します。

• 事前打ち合わせをしっかり行う
  → 工程や作業時間、雨天時の対応など、細かく確認しておくことが大切です。
  
• 不在でも連絡が取れるようにしておく
  → 突発的な判断が必要なとき、即対応できると工事がスムーズに進みます。
  
• 敷地の整理整頓をしておく
  → 足場や資材の搬入がスムーズになり、余計な時間を取られません。
  
• 信頼できる業者を選ぶ
  → これが最も大事。丁寧かつスケジュール管理がしっかりしている業者は、予定通りに終わる確率が高いです。
  

「時間通りに終わること」はもちろん大切ですが、質の高い仕上がりを優先することも忘れずに。事前の準備と信頼関係が、成功のカギを握ります。

まとめ

外壁塗装は、単に「壁に色を塗るだけ」ではなく、いくつもの工程を重ねて進められます。平均的な工期は7〜10日ほどですが、天候や建物の状態、職人の人数によって変動することもあります。

この記事では、以下のようなポイントをわかりやすくご紹介しました

大切なのは、「予定通りに終わらせること」よりも、「丁寧な施工で長持ちさせること」。業者との信頼関係を築きながら、無理のないスケジュールで進めることが、満足できる外壁塗装のカギです。

工事期間に対する不安や疑問がある方は、ぜひこの記事を参考にして、納得のいくリフォーム計画を立ててください。