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外壁塗装

外壁塗装の基本をチェック!塗料の種類・工法・外壁材別の違いと選び方

外壁塗装の基本的な工法や塗料の種類、外壁材の違いなどを解説しています。

外壁塗装を考えたとき、次のような疑問を感じたことはありませんか?

  • どんな塗料を使うのが正解?
  • うちの外壁に合う塗料って何?
  • 工法って何種類もあるの?

実は、塗料・外壁材・工法にはそれぞれ特徴や向き・不向きがあり、正しく選ばないと、数年で剥がれたり、思っていた見た目にならなかったりするリスクもあるんです。

この記事では、外壁塗装に使われる塗料の種類や特徴、外壁材との相性、工法の種類までをまるっと解説!

さらに、目的別におすすめの組み合わせも紹介します。初めて塗装をする方でも安心して読める内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

外壁塗装に使われる代表的な塗料の種類

まずは外壁塗装に使われる代表的な塗料について見ていきましょう。

アクリル塗料|コスパ重視派におすすめ

アクリル塗料は、外壁塗装に使われる塗料の中でも最も価格が安く、初期費用を抑えたい方に選ばれることが多い塗料です。

DIYでの塗装や短期的なメンテナンスとして使われることが多く、初心者向けの塗料とも言われています。

アクリル塗料のメリット

アクリル塗料の主な特徴は、「安価」「発色が良い」「施工がしやすい」という点です。

鮮やかなカラーに仕上げたい場合や、工期が短い現場などには向いています。

また、ホームセンターなどでも手軽に入手できるため、部分補修などに使われることもあります。

アクリル塗料のデメリット

しかし、デメリットも大きく、最も気をつけたいのが「耐久性の低さ」です。

おおよその耐用年数は3〜5年程度とされており、他の塗料に比べて頻繁な塗り替えが必要になります。また、紫外線や雨風による劣化が早く、色あせやひび割れもしやすいのが特徴です。

そのため、アクリル塗料は、「とりあえず見た目をきれいにしたい」「将来的に建て替え予定がある」など、短期間の利用を前提にした選択肢として考えるのがよいでしょう。

ウレタン塗料|扱いやすくバランス型

ウレタン塗料は、外壁塗装や屋根塗装など、幅広い用途で長年使用されてきた「万能型」の塗料です。

ウレタン塗料のメリット

アクリル塗料よりも耐久性が高く、それでいて価格も比較的リーズナブルなことから、コストパフォーマンスの良い塗料として知られています。

主な特徴は、「柔軟性がある」「密着力が高い」「光沢が出やすい」といった点です。

柔軟性があることで、外壁の小さな動きやひび割れに追従しやすく、剥がれにくいというメリットがあります。

耐用年数はおよそ5〜8年程度とされており、塗り替えの頻度はそこまで多くありません。特に、鉄部や木部など素材の動きが大きい場所にも適しており、細かい場所の塗装にも向いています。

ウレタン塗料のデメリット

一方で、ウレタン塗料は紫外線にはやや弱く、経年による色あせや劣化がシリコン塗料などに比べて早く現れることがあります。

また、防汚性能もそこまで高くないため、ホコリや汚れが付きやすいという点にも注意が必要です。

総じて、ウレタン塗料は「価格と性能のバランスを重視したい人」にぴったりの塗料です。

シリコン塗料|定番人気のスタンダード

現在の外壁塗装市場において、最も多く使われているのがこのシリコン塗料です。

シリコン塗料は価格、耐久性、仕上がりの美しさなど、すべての面でバランスが良く、住宅の外壁塗装において「標準的な選択肢」とされています。

シリコン塗料のメリット

シリコン塗料の最大の特徴は、「耐久性が高く、費用も抑えられる」という点です。耐用年数は7〜10年程度とされており、頻繁に塗り替える必要がありません。加えて、汚れにくく、防カビ・防藻性能も高いものが多いため、長期間美しい外観を維持できます。

また、塗膜に光沢が出やすいため、ツヤのある仕上がりを好む方にも人気があります。水性・油性の両方があり、施工場所や目的に合わせて選べるのもメリットです。

シリコン塗料のデメリット

ただし、同じ「シリコン塗料」と言ってもグレードに差があり、安価な製品では性能が劣ることもあります。

業者の説明をしっかり聞き、使われる塗料のグレードを確認することが大切です。

「迷ったらシリコン塗料」というくらい定番の選択肢なので、多くの方におすすめできるバランスの取れた塗料です。

フッ素塗料|耐久性重視ならコレ

フッ素塗料は、ビルや大型施設の外壁にも使われるほど高い耐久性を誇る高性能塗料です。耐用年数は12〜15年、商品によっては20年近く持つものもあり、「長期間メンテナンスしたくない」「できるだけ塗り替え回数を減らしたい」という方にぴったりです。

フッ素塗料のメリット

この塗料の最大の魅力は、「圧倒的な耐候性と防汚性」です。紫外線・雨風・排気ガスなどの外的要因に強く、色あせや劣化が非常に少ないため、長期的に美しい外壁を保つことができます。また、親水性の高い塗膜により、雨が汚れを洗い流す「セルフクリーニング効果」も期待できます。

フッ素塗料のデメリット

フッ素塗料は価格は高めで、シリコン塗料と比べると1.5〜2倍程度の費用がかかる場合があります。

初期費用はかかっても、将来的な塗り替え回数を減らせるので、トータルコストで見ると割安になることも。

「できるだけ高品質な塗料を使いたい」「10年以上安心して過ごしたい」という人には、フッ素塗料は最適な選択肢です。

無機塗料・ラジカル塗料|次世代の高性能塗料

ここ数年で注目を集めているのが、「無機塗料」や「ラジカル制御型塗料」といった次世代の高性能塗料です。最新の技術によって開発されており、従来の塗料を超える耐久性と性能を持っています。

まず、無機塗料とは、ガラスやセラミックなど「無機物」を主成分とした塗料です。燃えにくく、紫外線や酸性雨にも強いため、耐用年数は15年〜20年とも言われています。汚れが付きにくく、色あせもしにくいので、美観が長続きするのも魅力です。

一方、ラジカル制御型塗料は、塗膜の劣化を引き起こす「ラジカル(劣化因子)」の発生を抑える特殊な技術を使った塗料です。価格はシリコン塗料並みに抑えられているのに、耐久性はそれ以上というコスパの良さで人気が高まっています。

どちらの塗料も「ハイグレード」な部類に入りますが、価格と性能のバランスを考えると、将来の塗り替えコストを抑えたい方にとっては非常に魅力的な選択肢です。

外壁材ごとの特徴と塗装の注意点

次に外壁材の種類について見ていきましょう。

外壁材ごとの特徴と塗装の注意点を解説します。

モルタル外壁|ひび割れ対策がポイント

モルタル外壁は、日本の住宅に長く使われてきた伝統的な外壁材です。セメントと砂、水を混ぜて塗り固めたもので、デザインの自由度が高く、和風・洋風どちらの家にもよく合います。しかし、その分、塗装において注意すべきポイントもいくつかあります。

一番の特徴は、「ひび割れ(クラック)」が発生しやすいということ。地震や気温の変化などで建物がわずかに動くたびに、モルタルに小さなひびが入りやすくなります。こうしたクラックは放置すると雨水が侵入し、壁の内部を劣化させる原因になります。

そのため、モルタル外壁の塗装では、塗装前の下地処理が非常に重要になります。特に、クラック補修や、表面の汚れ・カビ・コケの除去を丁寧に行わないと、どれだけ良い塗料を使っても効果は半減してしまいます。

また、モルタルは表面がざらざらしているため、塗料の吸い込みが激しく、塗装ムラが起こりやすいという性質もあります。そのため、下塗りにシーラーをしっかり塗ることが成功のカギになります。

耐久性と通気性を両立させるためには、微弾性塗料やシリコン塗料との相性が良く、長持ちしやすい仕上がりになります。

サイディングボード|主流だが塗装時期に注意

現在、日本の戸建住宅で最も普及している外壁材が「サイディングボード」です。

工場で製造されたパネルを貼り付ける工法で、施工が早く、デザインや色のバリエーションも豊富なことから、多くの住宅で採用されています。

サイディングボードには大きく分けて「窯業系サイディング」と「金属系サイディング」がありますが、ここでは主に窯業系について解説します。

この外壁材の大きな特徴は、表面の塗膜が外的要因から内部を守っているということです。つまり、塗膜が劣化してしまうと、雨水がボード内部に染み込み、膨れやひび割れの原因になります。そのため、**適切なタイミングでの塗り替え(10年前後)**が非常に大切になります。

また、サイディング外壁では「目地」と呼ばれる継ぎ目部分にシーリング(コーキング)が打たれています。このシーリング材は紫外線で劣化しやすく、放っておくと雨漏りの原因になります。塗装の際には、必ず「シーリングの打ち替え」や「打ち増し」が必要になります。

塗料はシリコン系やラジカル系が人気で、防水性と耐久性を高めながら、美観も維持できます。

ALCパネル|断熱性が高いが吸水性に注意

ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)パネルは、軽量で断熱性・耐火性・遮音性に優れた高性能な外壁材です。マンションやビルにも使われるほどの信頼性を持ち、最近では戸建住宅でも採用されることが増えてきています。

ただし、ALCには大きな弱点もあります。それは「非常に水を吸いやすい」こと。ALC自体はスポンジのような構造をしており、表面の塗膜が劣化してしまうと、すぐに雨水が内部へ浸透してしまいます。これを放置すると、膨張・収縮を繰り返して塗膜が剥がれる原因になるのです。

そのため、ALCパネルの塗装では、「防水性をしっかり確保できる塗料」を使うことが大前提。さらに、シーリングの補修も非常に重要です。ALCはパネル同士の継ぎ目が多いため、そこからの水の侵入を防ぐ必要があります。

塗料は、弾性塗料や高耐久のフッ素・無機系塗料との相性が良く、耐候性・防水性に優れたものを選ぶと安心です。

施工業者には、ALCの特性をきちんと理解しているかどうかを確認してから依頼することが重要です。

金属系サイディング|サビ・熱対策が重要

金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミなどの金属を使った外壁材で、軽量で耐震性が高く、モダンな印象の建物に使われることが多い素材です。最近の新築やリノベーションでも人気が高まっています。

メリットは「サイディング自体が丈夫で長持ちする」こと。さらに、施工のしやすさと軽さにより、建物への負担が少ないのも大きなポイントです。

しかし、注意しなければならないのは、「サビや熱による劣化」です。特に海沿いや雨の多い地域では、金属が腐食しやすくなります。また、日射を受けることで表面温度が上がり、塗膜が劣化しやすくなるという問題もあります。

そのため、金属系サイディングの塗装では、金属用の下塗り材(プライマー)をしっかり塗ることが大切です。また、サビ止め効果のある塗料や、熱反射性を持つ遮熱塗料の使用もおすすめです。

塗料の選び方を間違えると、すぐに剥がれたり、ツヤが飛んでしまうことがあるため、必ず金属専用の塗料を選びましょう。

木材外壁|通気性と風合いを活かした塗装が必要

木材を使った外壁は、自然素材ならではの温かみと風合いが魅力です。ログハウスや和風住宅、デザイン住宅などでよく採用されており、年を重ねるごとに味わいが増すのも特徴の一つです。

しかし、木は呼吸をする素材であり、「湿気」や「紫外線」に非常に弱いという性質があります。つまり、塗装によって木材を守ることが非常に重要です。

木材外壁に使われる塗料には、「造膜型」と「浸透型」の2種類があります。

  • 造膜型:表面に膜を張って保護するタイプ。耐候性が高いが、剥がれると目立ちやすい。
  • 浸透型:木に染み込むタイプ。自然な風合いを残せるが、こまめな塗り替えが必要。

さらに、木材は反りやすく、ヒビが入りやすい性質があるため、柔軟性のある塗料を選ぶこともポイントです。

塗装の際は、「表面の研磨」「防腐剤の塗布」「定期的なメンテナンス」が不可欠です。木の魅力を活かしながら、しっかり保護することが、木材外壁の長持ちにつながります。

塗装工法の種類とそれぞれのメリット

塗装の方法に関しても、いくつかの種類があります。

ローラー工法|一般住宅で最も多い方法

ローラー工法は、外壁塗装で最も一般的に使われている工法です。名前の通り、塗料をローラーでコロコロと転がしながら塗る方法で、作業性が良く、住宅の外壁や屋根などさまざまな場所に適応できます。

ローラー広報のメリット

最大のメリットは、飛び散りが少ないため近隣への配慮がしやすいことです。住宅街などでは、吹き付け塗装のように塗料が舞うとトラブルになることがありますが、ローラー工法ならその心配がほとんどありません。

また、塗料の密着性が高いという特徴もあります。ローラーで圧をかけながら塗るため、下地にしっかりと塗料がなじみやすく、耐久性の高い仕上がりが期待できます。

ローラー工法のデメリット

ローラー工法は細かい部分や凹凸のあるデザインには不向きな面もあります。そのような場合には、刷毛や別の工法と併用することになります。

ローラー工法は、コスト・仕上がり・耐久性のバランスが良いため、「迷ったらローラー」と言われるほど王道の塗装方法です。

吹き付け工法|デザイン性のある仕上がり

吹き付け工法は、塗料を専用のスプレーガンで霧状に噴射して塗装する方法です。広い面積を短時間で塗ることができ、職人の腕によってさまざまな仕上げ模様(スタッコ・リシン・吹き放しなど)を作れるのが魅力です。

吹き付け工法のメリット

この工法の最大の特長は、高いデザイン性です。立体感や質感を出したり、模様をつけることが可能なため、外壁の印象をぐっとおしゃれに演出できます。

また、施工スピードが速いため、大規模な建物の塗装にもよく使われます。

吹き付け工法のデメリット

デメリットとしては、塗料の飛散が多いことがあげられます。

周囲への養生がしっかりしていないと、近隣の車や家に塗料がかかってしまうリスクもあります。また、風の強い日には作業ができない場合も。

また、ローラーに比べると塗膜がやや薄くなることがあり、耐久性の面で劣るケースもあります。そのため、仕上げの見た目重視の方におすすめの工法です。

ハケ塗り工法|細部の塗装に最適

ハケ塗り工法は、名前の通りハケ(刷毛)を使って手作業で塗る方法です。細かい部分や入り組んだ場所、またはローラーや吹き付けでは塗りにくい場所に適しています。

ハケ塗り工法のメリット

ハケ塗り工法は窓枠の縁、雨どいの裏、目地の周辺など、塗り残しやすい箇所を丁寧に仕上げるのに最適です。職人の技術が直接反映されるため、ムラのない美しい仕上がりが期待できます。

また、刷毛ならではの「塗り込み力」があり、下地にしっかりと塗料を押し込むことができるため、密着性にも優れています。特に古い外壁や、細かいクラック(ひび)がある場合には、刷毛での丁寧な施工が有効です。

ハケ塗り工法のデメリット

ただし、施工に時間がかかるというデメリットもあります。一面すべてをハケで塗ると、工期が長くなり、人件費もかさむため、通常は部分的に使用されることが多いです。

細部の仕上げやこだわりのある塗装をしたい場合には、ハケ塗りを併用した工法がおすすめです。

多彩仕上げ工法|高級感あるデザイン塗装

多彩仕上げ工法は、複数の色を組み合わせて仕上げる、見た目重視のデザイン塗装です。天然石風・タイル調・大理石調など、高級感のある外観を演出したいときに選ばれる塗装方法です。

特殊なローラーや吹き付け器を使って、下塗り→中塗り→仕上げ塗りと、複数の層で重ねていくのが特徴で、職人の技術が試される高度な塗装とも言えます。

多彩仕上げ工法のメリット

とにかく見た目が美しいため、店舗やモデルハウスなど、見た目のインパクトが大事な建物に多く使われます。

多彩仕上げ工法のデメリット

ただし、デザイン性が高い分、価格はやや高めです。また、一般的な塗料よりも塗装手順が複雑で時間がかかるため、施工できる業者も限られています。

それでも「他の家とは一味違う外観にしたい」「タイル張り風にしたいけどコストを抑えたい」という方には、多彩仕上げ塗装は非常におすすめです。

光触媒塗装|セルフクリーニング効果で注目

光触媒塗装は、近年注目を集めている最先端の機能性塗装のひとつです。太陽の紫外線を受けて汚れを分解し、雨で流してくれる「セルフクリーニング効果」があるのが最大の特徴です。

光触媒塗装のメリット

光触媒塗装に使われる「酸化チタン」という成分が、外壁についたカビ・排気ガス・有機汚れなどを分解し、外壁をきれいに保ってくれます。メンテナンス回数を大きく減らせるのも大きなメリットです。

また、光触媒塗料には抗菌効果や大気浄化効果もあるとされており、環境に優しい塗装としても注目されています。

光触媒塗装のデメリット

ただし、注意点もあります。光触媒は紫外線を利用するため、日当たりの悪い場所では効果が発揮されにくいという弱点があります。また、価格はやや高く、施工できる業者も限られているのが現状です。

それでも、「外壁をなるべくきれいな状態で長持ちさせたい」「エコ志向の塗装をしたい」という方には最適の工法です。

塗料選びのポイントと失敗しないコツ

外壁塗装は簡単にやり直しが効かないために、最初の塗料選びは慎重にしなければなりません。

塗料選びのポイントと失敗しないコツをご紹介します。

耐用年数を比較して選ぶ

外壁塗装で最も大切な判断基準の一つが、塗料の「耐用年数」です。どんなに見た目がきれいでも、数年で色あせたり、剥がれてしまっては意味がありません。長く安心して住まうためには、どれくらい持つかを事前に把握しておくことが重要です。

塗料ごとの耐用年数は以下の通りです。

塗料の種類おおよその耐用年数
アクリル約3〜5年
ウレタン約5〜8年
シリコン約7〜10年
フッ素約12〜15年
無機・ラジカル約15〜20年

耐用年数が長いほど、塗り替えの頻度が減り、長期的にはコストを抑えられることもあります。しかし、当然ながら初期費用は高くなるため、「今後の住み替え予定があるかどうか」や「予算とのバランス」を考慮して選ぶことが大切です。

また、耐用年数は「理想的な施工環境」のもとでの目安です。住んでいる地域の気候(海沿い・高温多湿・雪が多い地域など)や外壁材との相性によって、実際の劣化スピードには差が出ます。施工業者に、**「うちの地域だとこの塗料は何年くらいもちますか?」**と聞いてみると、より現実的な目安が分かります。

予算とのバランスを考える

塗料を選ぶうえで、次に重要なのが「費用とのバランス」です。性能が良くて耐用年数が長い塗料は、その分価格も高くなります。すべてを最高グレードにするのが理想ですが、予算に合っていなければ現実的ではありません

目安として、一般的な30坪の住宅を塗装する場合の塗料代(材料費+施工費)は以下のようになります。

塗料の種類費用相場(30坪)
アクリル約40〜60万円
ウレタン約50〜70万円
シリコン約60〜90万円
フッ素約80〜110万円
無機・ラジカル約90〜130万円

予算が限られている場合は、「外壁はシリコン、屋根はフッ素」など部位によって塗料を使い分けることもできます。屋根は紫外線の影響を受けやすいので高耐久塗料を、外壁はコスト重視で選ぶなど、工夫することでバランスの良い選択ができます。

また、見積もりの際は「塗料のグレード」と「どこに使うか」をしっかり確認し、費用に見合った内容かどうかを比較することが失敗を防ぐポイントです。

外壁材との相性を確認する

どんなに高性能な塗料でも、使う場所や素材との「相性」が悪ければ、その効果を十分に発揮できません。外壁材によって、適した塗料や下地処理方法が異なるため、素材に合った塗料を選ぶことがとても重要です。

例えば、モルタル外壁はひび割れが起きやすいので、柔軟性のある弾性塗料が合います。一方、金属系サイディングには、金属に対応したプライマー(下塗り剤)が必要です。ALC外壁には防水性能の高い塗料が向いていますし、木材外壁には浸透型の自然塗料が風合いを損なわずおすすめです。

このように、塗料は「何に塗るか」で選ぶ必要があるということを理解しておきましょう。業者に相談する際には、「この外壁材にはどの塗料が向いていますか?」と具体的に聞くのがポイントです。

また、塗料のメーカーによっては、「この塗料はこの外壁材に使用不可」と記載されていることもあるため、そうした仕様書の確認も業者に依頼すると安心です。

メンテナンスの頻度を見据える

塗料選びは、目先の仕上がりや費用だけでなく、将来のメンテナンスコストも見据えて選ぶことが大切です。

たとえば、安価なアクリル塗料は初期費用が安い分、5年以内に再塗装が必要になる可能性があります。そのたびに足場代や工事費がかかり、結果的に割高になることも。

一方、無機塗料やフッ素塗料は費用が高めですが、15年近く持つため、長期的に見ると塗り替えの回数が減り、コストが抑えられます。また、家に長く住む予定がある方や、将来の修繕費を抑えたい方にとっては、耐久性の高い塗料は非常に合理的な選択肢になります。

加えて、塗料の「防汚性」や「セルフクリーニング機能」が高ければ、外壁の見た目を長く美しく保つことができ、掃除やメンテナンスの手間も減らせます

ライフプランや住まいへの愛着を考えながら、「今後どのくらいの頻度でメンテナンスが必要か?」という視点で塗料を選ぶことが、失敗しないコツです。

業者の提案を鵜呑みにしないこと

塗料選びで最も注意すべきポイントが、「業者の言うことをそのまま信じすぎない」ことです。残念ながら、利益重視で高額な塗料を勧めたり、逆に安価な塗料しか提案しない業者も存在します。

そのため、提案された塗料については以下のように確認しましょう。

確認ポイント

  • 塗料の正式な商品名とメーカー名
  • 耐用年数や特徴
  • 過去の施工事例
  • 他の塗料との違い(価格や性能)

信頼できる業者であれば、これらの情報をわかりやすく説明し、比較表なども提示してくれるはずです。また、メーカーのカタログを渡してくれたり、「この外壁材ならこの塗料がベスト」と根拠を示してくれる業者は誠実です。

さらに、「相見積もり(複数業者の比較)」もとても有効です。違う業者がどういった提案をするのかを見ることで、自分にとって本当に必要な塗料を見極めやすくなります。

最後は自分の目と判断力で納得できる塗料を選ぶこと。それが後悔しない外壁塗装への第一歩です。

目的別おすすめ塗料&工法の組み合わせ

長持ち重視派におすすめの組み合わせ

「一度塗ったらできるだけ長持ちしてほしい」「将来の塗り替え回数を減らしたい」――そんな方には、高耐久塗料+密着性の高い工法の組み合わせが最適です。

おすすめは、以下の組み合わせです。

  • 塗料:無機塗料またはフッ素塗料
  • 工法:ローラー工法(厚塗り・密着性重視)

無機塗料やフッ素塗料は、紫外線・雨風・汚れに非常に強く、耐用年数は12〜20年と非常に長いです。特に海沿いや日差しの強い地域でも、色あせや剥がれが起こりにくく、安心して長く住み続けられます。

工法としては、職人の手によるローラー工法が最適。ローラーでしっかり塗料を押し込むことで、塗膜の密着性が高まり、長持ちしやすくなります。

初期費用はやや高くなりますが、10年以上メンテナンス不要であれば、トータルコストは低く抑えられるため、長く住む家には非常におすすめの選択肢です。

コスパ重視派におすすめの組み合わせ

「できるだけ費用を抑えつつ、そこそこ長持ちする塗装をしたい」――このような方には、中価格帯の塗料+スタンダードな施工法がベストです。

おすすめの組み合わせは以下の通りです。

  • 塗料:シリコン塗料またはラジカル制御型塗料
  • 工法:ローラー工法

シリコン塗料は、価格と耐久性のバランスが非常に良く、耐用年数7〜10年でメンテナンスの負担も軽めです。また、最近はラジカル制御型塗料も同じ価格帯で選べるようになっており、さらに長持ちを狙えます。

ローラー工法で丁寧に仕上げることで、塗料の性能をしっかり発揮でき、見た目も美しく仕上がります。

とくに30代〜50代で、まだ住宅ローンや教育費がかかる世代にとっては、品質を保ちつつも予算を抑えられるコスパ重視の塗装がおすすめです。

デザイン重視派におすすめの組み合わせ

「とにかく見た目にこだわりたい!」「外観の印象をグッとおしゃれにしたい」という方には、意匠性に優れた塗料+デザイン性のある工法の組み合わせがぴったりです。

おすすめは以下の通りです。

  • 塗料:多彩模様仕上げ塗料(タイル調、石目調など)
  • 工法:多彩仕上げ工法または吹き付け工法

多彩模様仕上げ塗料を使えば、まるで本物の石やタイルを張ったような質感が出せるため、高級感と個性を両立した外観をつくることができます。吹き付け工法や特殊ローラーで立体感のある仕上げが可能です。

特にデザイン住宅や店舗兼住宅など、人目を引きたい建物に最適。ご近所の家とは一味違った外観を演出できます。

唯一の注意点は、施工できる業者が限られていること。デザイン塗装に慣れた実績豊富な業者を選ぶのがポイントです。

環境・健康に配慮した組み合わせ

「子どもやペットがいるから、できるだけ安全な塗料がいい」「環境に優しい塗装をしたい」――そんなニーズに応えるのが、低VOC塗料+光触媒工法の組み合わせです。

おすすめは以下の通りです。

  • 塗料:水性塗料・低VOC塗料・光触媒塗料
  • 工法:ローラー工法または光触媒コーティング

VOCとは「揮発性有機化合物」のことで、人体や環境に悪影響を与える可能性のある成分です。低VOC塗料水性塗料は、そうした物質をほとんど含まず、安心して使用できます。

また、光触媒塗料には「セルフクリーニング機能」や「抗菌・消臭効果」があり、外壁がきれいに保たれるだけでなく、空気を浄化する効果も期待されています。

健康や環境に配慮したいご家庭、学校、医療施設などには特におすすめの選択肢です。

メンテナンス重視派におすすめの組み合わせ

「とにかくメンテナンスを楽にしたい」「汚れにくく、掃除いらずの外壁にしたい」という方には、セルフクリーニング塗料+防汚性の高い施工法がおすすめです。

組み合わせ例はこちら。

  • 塗料:光触媒塗料・無機塗料(親水性あり)
  • 工法:ローラー工法または光触媒仕上げ

光触媒塗料は、太陽光の力で汚れを分解し、雨水で洗い流してくれる「セルフクリーニング効果」が魅力。長期的に美観を保ちやすく、掃除の手間が圧倒的に減ります。

また、親水性のある無機塗料も防汚効果が高く、雨で汚れが流れやすいというメリットがあります。

「高齢の親と暮らしている」「掃除の時間がとれない」「外観を長持ちさせたい」という方には、特におすすめできる組み合わせです。

まとめ

外壁塗装は、見た目の美しさだけでなく、住まいを長持ちさせるために欠かせないメンテナンスです。しかし、「どの塗料を選べばいい?」「外壁材との相性は?」「工法って何が違うの?」など、初めての人には分からないことも多いですよね。

今回の記事では、以下のようなポイントをわかりやすく解説しました

  • 外壁塗装に使われる塗料の種類と特徴(耐久性・価格・おすすめシーン)
  • 外壁材ごとの注意点(モルタル・サイディング・ALCなど)
  • 工法の違いと向いているケース(ローラー・吹き付け・多彩仕上げなど)
  • 塗料選びで失敗しないための比較ポイント(耐用年数・予算・素材との相性)
  • 目的別におすすめの塗料と工法の組み合わせ

「高くて長持ち」だけが正解ではなく、住まいの状況やライフスタイルによって最適な選び方は変わります。この記事を参考に、ぜひ納得のいく塗装計画を立ててくださいね。

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